「カラダを変えたい」けど、トレーニングジムに通うのは不安だしハードルが高い…という人も多いでしょう。そんな人は、自宅トレに励んでみてはいかがでしょうか。
自宅でもしっかりカラダを鍛えることは可能です。
今回は自宅でできるトレーニングについて紹介していきましょう。
目次
自宅トレの方法
まずは自宅でできるトレーニング方法について、いくつか紹介していきます。
自重トレーニング
自宅に何も器具を持っていないという方も多いでしょう。でも大丈夫。
器具を揃えなくても自分の体重を負荷としてトレーニングを行うことができます。
それが“自重トレーニング”です。
自重トレーニングは、ケガをしにくく、初心者でも安全にトレーニングを行うことが出来ます。
ウエイトトレーニング
ダンベルやバーベルなどの負荷を使って行うトレーニング方法が、ウエイトトレーニングです。
自宅でもダンベルを持っている人も増えています。ダンベルが1セットあるだけで、トレーニングの幅がグッと広がります。
ヨガ
女性人気の高いヨガも、トレーニングとして行うことができます。
ヨガには、動きの少ないストレッチのような軽めのヨガや筋トレのようなハードなヨガまで様々な種類があります。
最近では男性のヨガ人気も高まっており、メンズヨガやヨガ男子なる言葉も広まっています。
サーキットトレーニング
サーキットトレーニングは、休憩を挟まずにエクササイズをこなしていく方法です。
そのため有酸素運動としての効果も得ることができます。
例えば、①胸の筋肉 → ②脚の筋肉 → ③背中の筋肉 → ④お尻の筋肉 → ⑤腹筋 → ⑥少し休憩 で1セットとし、これを何セットか繰り返すという形です。
自重トレーニングやウエイトトレーニングに慣れてきたら挑戦してみましょう。
自宅トレであると便利なトレーニングギア
自宅トレにもトレーニングギアを揃えておけば、トレーニングの幅が広がりますし、いい条件でトレーニングができ効果も高まります。
ここでは最低限あったらいいなというトレーニングギアを紹介します。
ダンベル
筋トレにはやはり「ダンベル」が欠かせません。ダンベルが1セットあるだけで、全身を鍛えることができるほど便利なトレーニングギアなのです。
ダンベルの選び方にもポイントがあります。
初心者の人は軽めで1kgや3kgなど重さが固定されているダンベルを購入することが多いようです。
しかし、鍛える部位によって軽い負荷・重い負荷と変更できた方が使い勝手がよいので、重さが変更できるダンベル(可変式ダンベルといいます)をオススメします。
また、重量も軽すぎるものは使える幅が狭まります。できれば可変式で片方20kgあると便利です。
トレーニングベンチ
ダンベルとセットで用意したいのが「トレーニングベンチ」です。
ダンベルを使って寝た姿勢で行うエクササイズなどは、床に寝てでは行いにくいものです。
また、座った姿勢でも背もたれの角度を調整し、鍛えられる部位を変えるなどトレーニングの幅が広がります。
角度が変わらないフラットベンチよりも、角度が変わるもののほうが便利です。
ヨガマット
床に寝た姿勢で行うエクササイズには、「ヨガマット」をオススメします。
ヨガマットは衝撃を吸収してくれるので、硬い床や床の冷えからカラダを保護したり、グリップ力によってエクササイズがやりやすくなるだけでなく、エクササイズによる騒音を防ぐなどのメリットもあります。
自宅でできるエクササイズ
では早速、自宅でできるオススメのエクササイズを紹介していきましょう。
プッシュアップ(腕立て伏せ):胸(大胸筋)の【自重トレ】
- 手と足を床につき、腕立て伏せの姿勢になります。この時、手幅は肩幅よりも拳2個分外側に広げておきます。
- 肘を曲げてカラダを下していきます。できるだけカラダを下しましょう。
- 下せるところまでいったら、肘を伸ばしカラダを持ち上げます。
- この動作を繰り返します。
筋力が低くカラダを持ち上げられない場合がありますが、その場合は膝を曲げ、膝を床について動作を行うことで負荷が軽くなります。
真っすぐな姿勢で行い、お尻が上がったり腰が反ったりしないように気をつけましょう。
参考URL:https://youtu.be/IdQESpQE9ew
ダンベルショルダープレス:肩(三角筋)の【ダンベルトレ】
- ダンベルを両手に持ち立ちベンチに座ります。
- ダンベルを肩の上で保持します。この時、肘の角度が90度になるようにしましょう。
- 手のひらを正面に向けたまま、頭上にダンベルを持ち上げるように肘を伸ばします。
- 上まで持ち上げたら、ゆっくりとダンベルを下ろしていき、2の姿勢に戻ります。
- この動作を繰り返し行います。
ダンベルは常に肘の上で保持するように動作を行いましょう。
動作中は、上体を真っ直ぐにして、胸を張った姿勢を保つように意識しましょう。立った姿勢でも行えます。
参考URL:https://youtu.be/zwj8Yyc3EYM
ダンベルベントオーバーローイング:背中(広背筋)の【ダンベルトレ】
- 肩幅くらいに足を広げて、軽く膝を曲げて立ちます。上体を前に倒し、胸をしっかり張った姿勢になり両手にダンベルを持ちます。
- 肩甲骨を寄せるように意識しながら、脇腹の方へダンベルをひきつけるように肘を曲げていきます。
- 持ち上げられるところまで上げたら、ゆっくりと肘を伸ばしていき元の姿勢に戻ります。
- この動作を繰り返し行います。
ダンベルを持ち上げるときは、腕ではなく背中で引っ張るように意識することがポイントです。背中を丸めないように気をつけましょう。
参考URL:https://youtu.be/PzBxPKuxfyA
インクラインダンベルカール
- トレーニングベンチの背もたれを45~60°に倒しダンベルを持ち座ります。手のひらが正面を向くようにダンベルを持ちます。
- 背中をしっかりベンチにつけて固定したまま、腕を下します。下した際、軽く肘を伸ばし切らず曲げておきましょう。
- 肘の位置を前後に動かさないようにして肘を曲げていきます。
- 肘を曲げきったら、ゆっくりと元の位置に戻していきます。
- この動作を繰り返し行います。
立った姿勢よりベンチを斜めにした方法は、関節の可動域全体を使えるので効果的です。
腕は伸ばしきる直前までしっかり下ろし、大きな可動域で動作を行うようにしましょう。
負荷が重すぎて、カラダを振るなどの反動を使わないように。
参考URL :https://youtu.be/crU6QgUD9O0
トライセップス・キックバック
- ベンチなどに右手と右膝をのせ、カラダを前傾させた姿勢を作り、左手でダンベルを持ちます。
- 左腕を垂らしたところから、肘を持ち上げ脇腹に固定します。この時、肘が90度になるようにしましょう。
- 肘の位置を動かさないようにして、曲げた肘を伸ばしていきます。
- 伸ばしきったらゆっくりと肘を曲げていき、元の姿勢に戻ります。
- この動作を繰り返し行います。
反対側も同様に行いましょう。 ダンベルが重すぎると、肘をしっかり伸ばせず反動などを使ってしまいます。
反動を使ってしまうと効果が半減してしまいますので注意が必要です。
軽い負荷でもいいので、しっかり肘を伸ばしきったところでグッと力をいれ上腕三頭筋を意識することがポイントです。
参考URL:https://youtu.be/IA8x-mld7R4
クランチ:お腹(腹直筋)の【自重トレ】
- 仰向けに寝ます。股関節と両膝を90度に曲げ足を床から浮かせます。両手は胸の前で組みます。
- 反動をつけずに上体を起こしていきます。この時、上半身全体を持ち上げられなくてもOK。
- 起き上がれるところまで行ったら、ゆっくりと元の姿勢に戻ります。
- この動作を繰り返します。
上体を上まで起こす必要はありません。肩甲骨あたりが床から浮かせられれば、腹直筋にしっかり刺激が入ります。
反動を使わず、腹筋が硬くなっていることを意識しながら起き上がれるところまで行いましょう。
参考URL:https://youtu.be/OPeDVbIDcgg
レッグレイズ:お腹(腹直筋)の【自重トレ】
- 仰向けで寝ます。脚を伸ばし、手は軽く開いてカラダの横に置きカラダを支えます。
- 腰部をしっかり床につけるように意識しながら脚をまっすぐに保持し、両脚を床から少し浮かせます。
- 脚を持ち上げ、床と垂直になるところまで上げていきます。
- 脚を垂直まで持ち上げたら、ゆっくりと元の姿勢に戻ります。戻した時も脚を床から少し浮かせたままにして次の動作に移りましょう。
- この動作を繰り返し行います。
脚を持ち上げることだけを意識してしまうと、腰を反らせてしまいます。
腰が反ると、腹筋への刺激が少なくなるだけでなく腰を痛める原因にもなります。
動作中に腰が反って床から浮かないよう、しっかりと腹筋を意識しながら行いましょう。
動作がきつい人は、軽く膝を曲げて行うとよいでしょう。
参考URL:https://youtu.be/k1kqglRIXF4
スクワット:太ももの前(大腿四頭筋)の【自重トレ】
- 足を肩幅よりも拳1個分外側へ開き、つま先を30°程度外側へ向くようにして立ちます。両手は胸の前で組みます。
- 胸を張り、軽く腰を反らせた状態を保ったまま、股関節と膝を曲げていき、カラダを下します。この時、股関節を曲げてお尻を後ろに突き出すような意識で行います。
- 太ももが床と平行の位置まできたら、股関節と膝を伸ばし元の姿勢に戻ります。
- この動作を繰り返します。
膝を曲げるよりも、股関節を曲げる意識で行います。
自分の体重に慣れてきたら、ダンベルを両手で持って負荷を増やすとよいでしょう。
負荷を増やしても正確なフォームや動作が崩れないよう、鏡などで姿勢をチェックしながら行いましょう。
参考URL:https://youtu.be/SFnfYPktYBU
ブルガリアンスクワット:お尻(大臀筋)の【自重トレ】
- 脚を前後に開き、後ろ足をベンチやイスの上に乗せます。
- 股関節と膝を曲げてカラダを下していきます。前の膝が90度になるくらいを目安にしましょう。
- 下せるところまで行ったら、元の姿勢に戻ります。
- この動作を繰り返し行います。反対側も同様に。
後ろ足にはほとんど力を入れず、前側のお尻に負荷がかかるように意識しながら、動作を行いましょう。
前足の脚幅を大きく開くようにすると、太ももよりもお尻を意識しやすくなります。
負荷を増やしたいなら、ダンベルを持って行うとよいでしょう。
参考URL:https://youtu.be/XJA_ocFX8PA
ルーマニアンデッドリフト:太ももの裏(ハムストリングス)の【ダンベルトレ】
- 足を腰幅程度に開いて立ち、両手にダンベルを持ちます。
- 膝を軽く曲げ固定したまま、お尻を後ろに下げるように意識しながらカラダを倒していきます。
- 上体が床と平行になるところまで倒したら、元の姿勢に戻ります。
- この動作を繰り返します。
カラダを前に倒す意識が強いと、背中が丸くなってしまいます。
カラダを前に倒すというよりも、お尻を後ろに突き出すような意識で行うと動作がスムーズになります。
背中が丸くならないように、しっかり胸を張って動作を行いましょう。
参考URL:https://youtu.be/r86Hw8E8358
カーフレイズ:ふくらはぎ(下腿三頭筋)の【自重トレ】
- 腰幅程度に足を開き立ちます。壁などに手をついてカラダを安定させましょう。
- カカトを地面から浮かせ、つま先立ちになります。
- あげられるところまで行ったら、ゆっくりと元の姿勢に戻ります。
- この動作を繰り返します。
出来るだけ大きな動作で行うことがポイント。
まずはゆっくりと大きな動作で可動域全体を使い、慣れてきたらテンポよく動作を行うようにしましょう。
参考URL:https://youtu.be/oVbkeODJNSE
自宅トレのポイント
最後に、自宅トレでのポイントを紹介していきます。
回数・セット数
筋トレには目的に合った負荷の設定をすることが、効果を上げるポイントです。
筋トレを行う目的には大きく分けて
- 「筋力向上」
- 「筋肥大」
- 「筋持久力向上」
の3つがあります。
筋力向上が目的の場合
筋トレの目的が筋力向上であれば、3~7回程度で限界になる重量を使いましょう。どの目的も基本的には3セット行います。
筋肥大が目的の場合
筋肥大が目的であれば、8~12回程度で限界になるような負荷設定を行いましょう。
筋持久力向上が目的の場合
筋持久力であれば、12~20回程度で限界になるような負荷設定をすることが効果的です。
筋トレでよくある10回×3セットというのは分かりやすくベーシックな方法ですが、ただ単に10回やればいいという訳ではありません。
また、腕立て伏せや腹筋運動でやりがちな100回も200回も数をこなすやり方も、筋持久力向上には効果があると思いますが、筋力向上・筋肥大を目的とした場合、効率的ではありません。
目的に合った適切な回数で限界を迎えるくらいの負荷設定が大切なのです。
負荷を増やしていく
トレーニングを続けていくと、筋力や筋持久力などが向上し、今まで行ってきたエクササイズがだんだん楽に感じるようになってきます。
これはトレーニングの成果によるものですが、さらなる成長を目指すためにはどんどん負荷を増やしていく必要があります。
自宅トレでは、負荷を増やすのにも工夫が必要です。
負荷を増やすために以下のような方法を取り入れてみましょう。
回数を増やす
最も簡単に負荷を増やす方法は、行っている回数を増やすことです。例えば、今まで10回×3セット行っていたものを15回×3セット、20回×3セットというように行います。
しかし、この方法には注意が必要です。先ほど説明したように回数を増やしたからといって、最大筋力が向上していくわけではありません。
筋持久力を向上させたい・疲れにくいカラダを作りたいという目的の人にオススメの方法です。
動作をゆっくり行う
エクササイズの動作スピードを遅くしてみるのも、負荷を増やすために効果的な方法です。
ゆっくり動作を行うことにより筋肉が力を発揮している時間が増え、刺激量が多くなるのです。
回数を増やす方法が筋持久力を高める一方、動作をゆっくり行う方法では筋力や筋肥大に効果があります。力を強くしたい!カラダを大きくしたいという目的の人にオススメです。
違うエクササイズに挑戦してみる
今まで行っていたエクササイズと違うエクササイズに変えてみることで負荷を変えることが出来ます。
同じようなエクササイズでも、姿勢を少し変えたり、動作を少し変えるなどの違いでも、負荷を調整することができます。
Youtubeやトレーニングアプリを活用し、色々なエクササイズに挑戦してみましょう。
おわりに
自宅トレはスポーツジムに比べて効果が低いと思われがちですが、そんなことはありません。
確かに設備がそろっているスポーツジムでのトレーニングに比べれば不便な点がいくつかあるかもしれませんが、しっかり行えていればトレーニング効果は変わらないのです。
トレーニングは継続がポイント。自宅トレは、移動時間もいらないし24時間行うことができ時間を有効に使えるというメリットもあります。
今回紹介したエクササイズを一度に全部行う必要はありません。
少しずつでもいいので、できるだけ毎日エクササイズに取り組み、トレーニングを習慣づけてください。そうすれば確実にカラダは変わっていくことでしょう!
プロスポーツトレーナー歴 19年
プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院勤務で得たケガの知識を活かし、リハビリ指導も行う。医療系・スポーツ系専門学校での講師や、健康・スポーツ・トレーニングに関する講演会・講習会の講師を務めること多数。テレビや雑誌においても出演・トレーニング監修を行う。
現在、様々なメディアで執筆活動・監修を行い、健康・フィットネスに関する情報を発信中。 2021年11月 著書「見るだけ筋トレ」(青春出版社)発刊予定。